3月7日

弊社のホームページを立ち上げ、ブログを書き始めた最初の頃ですが

この日が来たら、今日の内容を必ず書こうと決めていました。

何度も書き直し、迷いながら書いてアップした内容ですが

読むに耐えられない内容になっていましたらお許しください。

2年前までの3月7日は1年365日のうちの1日でした。

2022年3月7日、弊社を応援してくださっていたお客様が突然の事故で急逝されました。

その出来事を境にして弊社にとって特別な日になりました。

取引先からの電話が鳴り、本題に入る前の挨拶も無く

「木元さんテレビ見ましたか?」と聞かれました。

何の事か判らずでした。

おそらく、「何の事?」と聞き返したと思います。

取引先の方からの返答もホントにシンプルで「○○さん事故で亡くなられました。」と。

「え、なんで?」と聞き返したと記憶していますが、「わかりません、追って今後の連絡をします。」

そんな会話を終えたあと状況を理解できず、しばらくその場で固まっていました。

車の中で電話を受けたので、テレビをつけたところ

ニュースから聞きなれた会社名と事故発生現場の上空からの映像と

事故にあわれた職員の方の年齢が流れていました。

お名前が報道されていませんでしたので、連絡ミスであってほしいと願いました。

しかし、知らされた内容は現実でした。

お客様は研究職でした。

しかし、研究員然とされておらず、いつも笑顔で朗らかなお人柄でした。

ある材料の開発をされておられ、開発材を使い試作製品を作る依頼を私は受けていました。

いつも競合メーカーに勝てるように頑張ると仰ってました。

頑張られていたからこそ無理難題の製作相談もありました。

ご要望に応えられるよう、私はいつも必死でした。

お客様と下請け業者の関係性になると、対等な立場とはなりにくく

加えて専門知識が豊富、要求内容が高い事が多い研究職の方とのお付き合いは

何かと難しいことも多くあります。

しかし、亡くなられたお客様はいつも対等に接してくださり

私が理解できない事は、お忙しい時でも細かく丁寧に理解できるまで説明してくださいました。

お会いした時いつも、真面目な話しはそこそこで、ほとんどが取り留めもない世間話しでした。

ご家族の話し、お子さんたちの話しもいっぱいお聞きしました。

最後にお会いした時に「木元さんの会社に転職させてください。」と冗談を言われていました。

でも、私はその冗談を真にうけて、弊社に転職したいと言っていただいたお言葉に応えたくて

2022年5月にそれまでの個人事業から法人組織になりました。

起業後3年が過ぎたタイミングでしたので、法人組織になることを迷ってたこともありました。

正直、一人なのでまだ、個人で良いか。

個人でも人を採用できるしと思っていました。

しかし、法人としか取引をしないとされている企業様も多いことから

今後の展開を考えると法人化は必要でした。

最後の最後に迷っていた私の気持ちを、前に進むように背中を押していただきました。

2019年に起業した時、思いもつかない出来事により苦しい状況からのスタートでした。

弊社の銀行口座に一番最初に入金があったのは、亡くなられた研究者様からのご依頼の代金でした。

今も入金が記帳された通帳を僕の宝物にしています。

記帳された数字を見た時の嬉しさや感じた気持ちをこれからも忘れずに大切にしていきます。

私自身、キリスト教の家に育ったことをすっかりと忘れていますが

今日はしっかりとご冥福とご家族の上に心の平安があるようにと祈りを捧げます。

私の人生に沢山の良い影響を与えていただいて感謝しています。

厚かましいお願いをしますが、弊社の発展を見守ってください。